マイケル・サンデル教授来たる!
11時からはマネジメントのグループミーティング→12時からポリティクスの授業(本日は国際交渉に関して)→2時からポリティクスのグループミーティング(これが論点盛りだくさんで、結局4時間かかった…)で、あっという間に6時過ぎに。くたくた…
6時半からは、パブリックレクチャーに参加。本日は正義論や「ハーバード白熱教室」などで日本でも有名になったハーバード大教授のマイケル・サンデル氏が昨日から3連続レクチャーをLSEにて行っているということで、サンデル教授のコミュニタリアン的考え方に共感するところがある自分としては是非聞いてみなければ、ということで、その最後の回のチケットをゲットすることが出来たために行ってきました(フラットメイトのホーマンよ、1枚余計に確保しておいてくれてサンクス!)。
ニューアカデミックビルディング(NAB)という普段マネジメントの授業をやっているLSEの中では最も新しいであろう建物の大講義室に入ったのは初めてだったのだが、数百人入る講堂は満員御礼。
本人が登場すると、おおテレビで見たまんまだ(当然)。本日のお題は「Should we bribe people to be healthy? 」ということで、不健康な人にお金を与えて健康増進に仕向けることは、いかなる理由で正当化されるか、あるいはされないか?という内容でした。
レクチャーはいつもの教授のとおり、問いを発して会場に発言を求め、さらにそこから話を展開していく・・という対話型で進められました。コストとベネフィットを勘案して社会的に利益があるなら進めるべきだという意見(これを哲学的に言うとutilitarian(功利主義)という言葉になるそうだが)、本人の好きで不健康になった人間にお金を払うべきではないという意見、その派生で超肥満の人が公的病院(イギリスではNHSサービスに当たる)に来たときに治療を拒否できるか?という意見、またお金を払って健康に関する行動を促すのはそもそも人間の尊厳に関わるのですべきではないという意見、さらにお金をあげるのと不健康な人に罰金を課す(デンマークでは「肥満税」というものが議論されているそうですね)ことでは何が違うのか?またbribeとeconomic incentiveの違いは何か?(会場の議論から出てきた違いとしては、bribeはモラル的によろしくないことであっても積極的に関与すること、economic incentiveはその制度があってもその行動を行うかどうかはあくまで個人の判断に任されるということ、といったところだったかと記憶)などなど、色々な視点が出てきました。(ちなみに私の考えは原則は功利主義的立場に立つものの、心情としては賛成しづらいよなぁ…という、いかにも曖昧な立ち位置で議論を聞いていました)
サンデル教授は自分の考えを押し付けるのではなく、こういう意見もある、こういう見方もあるということで、それぞれの意見を相対化することに努めます。議論が広がる中時間が来るとうまくサマライズするところなんかはさすがだなぁと思いました。私の理解では、このbribeには、「本当に不健康を抑制する効果があるのか」という実利的な面の他に、「(bribeを受けたからには不健康は必ず是正されるべきだといった観点から)非金銭的な価値(今日の議論ではそれは上述のように人間の選択権であるとか金で健康が買われるべきではないといった「尊厳」のようなものと置き換えられるだろうか)を『侵食(erode)』する可能性に留意すべきである」といったように、断定を避けつつも、一定の否定的側面に着目したまとめだったのではないか、と理解しました(私のヒアリング力がある程度正しければ、ですが…)出来ればそのうち自分もこの議論の中でサンデル教授に注目されるような意見を述べたいものだ…と夢想するのでした。
レクチャー後、教授の著書「Justice」を買った人に教授がサインするコーナーが設けられる。このような購入者だけにサインをするという行為は、功利主義的視点では正当化されるだろうが、正義論(あるいはコミュニタリアン?)的視点ではどうなのか?というところに思いを馳せつつ、自分はサインなどは特にもらわず会場を後にする。いやーしかしこういう世界の一流人の話を身近なところで聞けるというのはありがたい機会ですね。
その後は夜に毎月一回の日本人留学生を中心としたパブでの交流会に顔を出し、久々のメンツと情報交換するのでした。今週も盛りだくさんでありましたが学期が終わりに近づくにつれ課題が山積していく…来週・再来週が一つのヤマ場ってやつですね。ただ明日は息抜きでロンドン郊外に出かけます(日曜にまたミーティングあるけど…)。
# by maccha-jaya | 2012-03-10 10:52 | 留学生活(コース関係) | Trackback | Comments(0)


































